かのあは観光地ど真ん中の国立公園でカヌーツアーを提供しています。
2020年は新型コロナウィルスの影響で支笏湖に遊びに来てくれる人が減少し455,400 人となりましたが、2019年は985,200 人、2018年は1,014,500 人と毎年およそ100万人が訪れる観光地です。
多くの人が遊びに来てくれる場所ですので、カヌーツアーにご参加されている方のほとんどが初めて支笏湖に訪れる方となります。
かのあに転職してからお客様からツアー終了後に「楽しかったよー」という言葉をかけてもらいウラカタ職員として第三者的にニヤニヤ眺めている中で、初めてかのあのカヌーツアーにご参加される新規の方が多いことはいいことである反面、リピーターやファンが少ないということに若干の危機感を感じました。
毎年、サイコロを振ってあたりを引いて収益を上げている、という感覚でしょうか。
何か一つ歯車が狂ってしまうと大きく崩れてしまうのではないか?
まさに今、世界を大きく変えた新型コロナウィルスでの変化はその歯車を狂わせることを意識せざる負えない出来事でした。
どのような変化があっても対応できる状態が理想的です。
新規の獲得とリピータの確保、そしてファンの獲得はそれぞれ大切で、それぞれやるべきアプローチが違う。
今回はリピーター獲得のためにどのようなことができるか考え、無理なく実施できる方法を模索し、改善していくスタートラインを考えていきます!
目の前の仕事が忙しくて未来を見れていない自分がいます。細ーく長ーく100年続く老舗の経営から学ぶべきことがあるのかもしれませんね
もくじ
今回の内容
- まずはリピーター獲得の方法を情報収集
- ありがとうを伝える方法にはなにがある?
- どこの層にアプローチする?
まずはリピーター獲得の方法を情報収集
もちろん、まったくわかりませんので書籍で情報を収集します。
今回読み込んだ本はこちら ↓
ステップとしては
- 新規客を集める
- 固定客になってもらう
- お客さんを成長させる
- お客さんを維持する
といった流れがあるようです。
そして方向性として
- 新規客を集める方法は値引きだけではない
- その新規客は固定客になりやすいお客様を集める
- 固定客になってもらうためのツールと顧客情報活用の重要性
といったことを学びました。
確かに、なるほど、と本を読み進めていきましたが、本を読んで満足している場合ではありません。
では実際にどのようなことを取り入れることができるかを頭の中で照らし合わせながらイメージしていきます。
ありがとうを伝える方法にはなにがある?
まずはリピーター(固定客)になってもらうためにできる方法には何があるかを考えました。
できることとしては感謝を伝えるということです。
ではその感謝を伝える方法は何かを考えていくと、最初にパッと思い浮かんだお客様に感謝を伝える方法として
- 手書きの手紙を送る
- 印刷した手紙を送る
- 電子メールを送る
という方法でした。
ザザっと眺めてみながら考えていくと、手書きの手紙は気持ちは伝わる可能性は高いが、書くのに時間がかかってしまい、スタッフ負担が大きいので続かない可能性が高いと感じました。
もちろん手間で言えばメールで一斉に送信するのが一番負担が少ないです。
しかし悪くはないけれども、はたして感謝の気持ちがメールで伝わるのだろうか?
と伝わるという要素とスタッフの負担という要素を天秤で考えていきます。
どうしたらいいかな~
と考えている中で一つ気づいたことがあります。
60年分ぐらいあるのではないか、というポストカードの在庫です。
年間何十枚かは販売してはけていくのですが、在庫がおそらく1000枚ぐらいありますw
支笏湖のキレイな写真が入っている、在庫がたくさんある、切手を貼って郵便ポストに入れるだけで送れる、手書きをするにしても一言で形になる、と手書きの手紙とメールの中間程度の負担となりそうです。
また、手紙とポストカードを比べる中で、手紙は封筒で送る必要があるので郵送代+封筒代となり、コストも違うということに気が付きました。
再度、気持ち、スタッフ負担、コストの3軸で整理していくと
- 手書きの手紙を送る(気持ち:大、スタッフ負担:大、コスト:大 84円+封筒代)
- 印刷した手紙を送る(気持ち:小、スタッフ負担:小、コスト:大 84円+封筒代)
- ポストカードを送る(気持ち:大、スタッフ負担:小、コスト:中 64円)
- 電子メールを送る (気持ち:小、スタッフ負担:小、コスト:小 0円)
という整理になります。
ツアーを回しながら手書きの手紙を書くのは現実的ではないので、スタッフ負担として許容できるMAXは手書きのポストカードとなりそうです。
またポストカードがいいな~と思う要因の一つに、ポストカードをお客様がツアーに参加し終えてすぐに送ると、お客様が家に着く前にポストカードが届いている、というステキな展開を作れそうなんですよねw
どこの層にアプローチする?
ここでもう一つ考える要素として、ツアー参加者とガイドスタッフとのコミュニケーションの深さがあります。
ツアーにはコミュニケーションの深さとして分けていくと、大きく2つに分けることができ、
- 人数が多い、時間が短い→コミュニケーションが浅い
- 人数が少ない、時間が長い→コミュニケーションが深い
の四象限でツアーを分類することができます。
ブルーカヌーは90分のツアーで参加されるグループは最大5組になり、一組一組とのコミュニケーションの質はどうしても浅くなります。
一方、プライベートクルージングというツアーは、1組限定で150分のツアーです。
人数が少なく、時間が長くなれば必然的にガイドとお客様とのコミュニケーションの質は深くなります。
この2種類は一緒くたに捉えるのではなく、それぞれでアプローチを変えるべきだと考えます。
コミュニケーションが浅いのに気持ちMAXで手書きの手紙をもらってたら、もしかしたら困ってしまうかもしれません。
という要素を整理していくと
- ブルーカヌー(人数が多い、時間が短い)
- SotoCafeカヌーツアー(人数が多い、時間が長い)
- ダウンリバー、プライベートクルージング(人数が少ない、時間が長い)
の3パターンがあることを理解し、それぞれに最適なアプローチとしてどういうのがいいのかを考えていくと
- ブルーカヌー(人数が多い、時間が短い)→電子メール
- SotoCafeカヌーツアー(人数が多い、時間が長い)→電子メールかポストカード
- ダウンリバー、プライベートクルージング(人数が少ない、時間が長い)→ポストカード
といった整理になるのではないではないかと考えました。
まずは「ダウンリバー、プライベートクルージング(人数が少ない、時間が長い)→ポストカード」が年間の受け入れ件数も限定的で、効果がある可能性が高いようなきがするので最初に手を付けるべき部分だと考えます。
もし電子メールまで手を出すとしたら、テクノロジーの力を大いに借りて送る方法を模索したいと思います。
もちろんすべてのお客様に対してアプローチするのが正しいのは理解していますが、作業人員も勤務時間も気力も有限です。
やることとやらないことを明確に線引きしなければリソースが足りなくなってしまいます。
一つ一つ実装していきたいと思います。
さて、整理が終わり、どのようなアプローチが最適化を考えたのであとは実際にやってみて効果測定です。
ウィンターシーズンはカヌーツアー自体の申し込みが少ないので、一年の最初の盛り上がりであるグリーンシーズンスタートのゴールデンウイークに向けて協議を進めていきたいと思います。
今回の結果
お客様には大きく新規、リピーター、ファンの3層があると考え、それぞれに合ったアプローチをする必要があると考えます。
今回整理したのは真ん中のリピーターに関してのアプローチにどのような方法があるか、です。
新規獲得のために行った改善はアナログな方法として
#018 お店の前の看板で集客は増えるのか?日々店前を改善して感じたこと2021オンラインでは
#015 オンライン予約サイトの整理整頓!情報をすべて出して予約件数アップを目指せ!といったことをやってきました。
方法としてはまだまだありそうですね。
次にリピーター獲得のために
#007 リピーターを獲得せよ!お客様に配る名刺にSNSのQRコードを載せてみた!といったことにも取り組んでいます。
まだまだ取り組み始めたばかりなのでどのような効果があったかは明確になっていませんが、継続して効果を測定していきたいと思っています。
また、方法に関してはまだまだほかにあるはずなので抜かりない情報収集をして、可能性があるものはどんどん取り入れていきたいと思います。
予約が入った段階で、リピーターであることをわたくしどもが気づけなければいけません。
が、現状予約が入ったとしても新規なのかリピーターなのかを判断する素材がありません。
これもまたテクノロジーの力を借りる必要があります。
どういった方法があるかも今後調査していきたいと思います。
今回の学び
物事を因数分解して、最適な方法を模索する。
小さな組織にはリソースが少ないので必ず必要な工程になります。
リソースが少ないからこそ何でもかんでもできません。
だから最も効果がありそうなところに一点集中する、という小さなガイドハウスならではの勝負の仕方をしなければいけません。
そのために物事を細かく見て理解し、分類して整理する力が必要です。
まだ働き始めて1年未満なので現状をすべて理解できているわけではありませんが、現場を見ては考え、整理してはスタッフに伝え、「どうする?」とみんなで考える、ということを永遠とやっています。
大切なのがその物事が定数なのか?変数なのか?を分けて考える部分です。
定数をいくら変えようと考えても定数なので変わりません。
定数には目もくれず変数の中で最も効果的なことを改善しチャレンジしていきます。
正直やってみないとわからないことだらけでチャレンジが恐ろしくて嫌になることもありますが、やってみてダメだということが分かった、というのも前進だと捉え、どんどんチャレンジしていきたいと思います。
正解のない問ばかりです。だからこそ楽しいんだけどね!