残りの改善 19コ!

#073 2023年の改善の目玉!事前決済100%はどういう結末を迎えたか!?

本日の記事の概要

2023年の大きな改善として事前決済100%を取り入れたウラカタ職員スズキ。

結果、手数料が驚きの296,769円の削減、お会計に関わる作業時間が約22時間の削減、レンタル品の販売が23万円アップという結果を獲得することが出来た。

その他キャンセル率の低下や遅刻の減少、ノーショー対策としても大きな成果を確信し、懸念していたデメリットに関しては問題にならなかったことから大満足の成果となった。

今年は一名のガイド増員もありましたが、昨年を大きく上回る人数のゲストの方と自然を共有し、たくさんの笑顔に包まれたシーズンでした。

10/28で夏季シーズンの営業を一旦終了し、12/17の冬季シーズンスタートまでしばしのお休みに入ります。

昨年までは通年でツアーを動かしていて、11月もツアーを販売しておりましたが、今年はやり切った、ということでお店を一旦閉めていろいろと準備の時間を確保しようと考えております。

鈴木 悠太
鈴木 悠太

こういう決断ができるのも、やはりしっかりと結果を出せたから!

今年は明確に改善の検証をするための実験をいくつか実施しました。

その中で最もわたくし肝いりだったのが「予約は事前決済100%」の改善です。

記事としてはこちらにまとめております ↓

#063 予約は事前決済100%に!作業負担の軽減とトラブル回避だ!

「なぜ事前決済100%にしたのか?」という部分に関しては心血を注いで上記の記事でテキスト化しましたが、今回は「事前決済100%にして結局どうだったの?」という結果報告です。

結論としては、もちろんそれぞれで事情が違うので一概には言えませんが、個人的には全アウトドア事業者が絶対に導入したほうがいい!!!

鈴木 悠太
鈴木 悠太

びっくりするぐらいおススメです

もちろん期待していた効果が得られなかったものもありましたが、つゆほども想像していなかった結果も得られました。

今回の内容

  • キャンセル率は?
  • 遅刻は減った?
  • 手数料の削減はどれぐらいだった?
  • 事前決済100%のデメリットは結局どうだった?
  • 想像していなかった効果が…

キャンセル率は?

まずはOTAのサイトなどで事前決済にすることで得られるメリットとして紹介されていることの多い「キャンセル率の低下」はどうだったか計算してみました。

計算式は(キャンセル件数 ÷ 総予約件数)

2022年の結果は25.3%。

2023年の結果は21.2%。

鈴木 悠太
鈴木 悠太

4%はけっこう減ってる!

正直この部分についてはあまり期待をしていなかったので「ある程度は効果があったかなー」といったぐらいでしたが、4%分の予約完了・キャンセル処理という作業が無くなったと考えると時間を大幅に削減できたことになります。

これはなかなかいい効果を得られました!

遅刻が減った?

これは実際に事前決済100%に改善してから肌感覚で「ん、こんなに受付でバタバタする日って少なかったっけ?」と感じ取ってからモニタリングを開始しました。

2022年は遅刻の数をカウントしていなかったので明確に比較することが出来ませんが、2023年は明らかに減った気がします。

そして、ツアー集合時間より早めに到着するゲストが増えた気がします。

鈴木 悠太
鈴木 悠太

これはけっこう大きな変化!

2023年は遅刻などをすべてを記録できたわけではないのですが、ネイチャークルージングというグループツアーでのトラブル系をコツコツカウントたところ

集合時間18件
ツアースタート9件
日程間違い4件
音信不通3件

という結果でした。

集合時間の遅刻に関しては急いで準備したら何とかツアー開始時間になんとか間に合います。

鈴木 悠太
鈴木 悠太

なのでトラブル未遂というところで、セーフ

ツアースタート時間の遅刻に関してはグループツアーの性質上どうしようもなく、ツアーにご案内できません。

ですがこれは予約全体数から言えばごくごく少数です。

鈴木 悠太
鈴木 悠太

システムの改善でこれ以上改善できるのかな?

前日に予約の最終確認メールが届くなどのシステム改善で遅刻は減るのかな?

日程間違いの改善は難しいですね。

鈴木 悠太
鈴木 悠太

これは前日に予約の最終確認メールが届くなどのシステム改善で解決したい!

ただ予約日の前日に最終確認メールが届くシステムだった場合、予約日の一日前に勘違いしてお店に来ちゃう人には間に合わないので悩ましいところ。

明確にわかっている結果としてはノーショーに関して。

昨年は悔しくて歯を食いしばりながら計算した139,500円分のノーショー。

今シーズンも音信不通が3件ありましたが、この3件すべて事前決済でツアー料はすでに頂戴していたのでノーショーとはならず当日キャンセルとして処理でき、まったく問題ありません。

鈴木 悠太
鈴木 悠太

前日にお店に直接来店された場合でも、予約に関しては予約フォームから予約してもらうことに徹底しました。

遅刻などのトラブルに関して、前後の変化をモニタリングして「明確な違い」を見つけてみたかったところですが、最終的な目標としては遅刻などのトラブルを根絶です。

今年カウントした数字をベースに、来年はより改善してゆくゆくはすべてのトラブルをほぼ0に近づけていきたいところです。

こちらも大満足の結果となりました。

手数料の削減はどれぐらいだった?

これは想定どおりの削減結果を得られました。

推定の削減に関しては事前決済100%を開始したときに計算していたのですがおよそ

鈴木 悠太
鈴木 悠太

差し引き20~30万程度のコスト削減が実現できるかもしれません。

という結論をはじき出していました。

計算式などの詳細はこちら ↓

#063 予約は事前決済100%に!作業負担の軽減とトラブル回避だ!

ではまず、2022年と2023年のお会計方法の金額ベースの割合変化をエアレジの情報から確認します。

20222023
現金26.77%6.99%
QR8.09%1.84%
クレジットカード32.18%4.98%
ウラカタ事前決済14.66%55.26%
OTA事前決済0%18.42%
その他18.29%12.52%

現金、QR、クレジットカード決済方法が大幅に減って3パターン合計で67.04%もあったのが13.81%と大幅減となりました。

鈴木 悠太
鈴木 悠太

シンプルにこれだけお会計に時間をかけていた作業が消し飛んでるってこと!

この13.81%のお会計も、内容は当日飛込でのツアー参加以外は、レンタル品がほぼすべてなので取引金額としては1件1件が大きくありません。

9割以上のお会計に関して現地での決済ではなく、事前決済で終わっている形です。

続いて2023年のエアレジの金額データをベースに手数料概算を算出したところ

手数料率手数料概算
現金0%¥0
QR2.5%¥22,127
クレジットカード3.24%¥77,721
OTA事前決済2%¥177,568
ウラカタ事前決済1%¥266,299
その他0%¥0
合計¥543,715

という結果でした。

2022年の手数料概算は

手数料率手数料概算
現金0%¥0
QR2.5%¥78,854
クレジットカード3.24%¥406,344
OTA事前決済2%¥57,146
ウラカタ事前決済1%¥137,350
その他0%¥0
合計¥679,694

でした。

2023年と2022年を比較してみると

手数料率2022年 手数料概算2023年 手数料概算削減額
現金0%¥0¥0
QR2.5%¥78,854¥22,127
クレジットカード3.24%¥406,344¥77,721
OTA事前決済2%¥57,146¥177,568
ウラカタ事前決済1%¥137,350¥266,299
その他0%¥0¥0
合計¥679,694¥543,715¥135,979

といった形でおよそ13万円の削減となっています。

が、2023年は2022年よりも売上高を伸ばしている、ということは当然13万円以上の削減ができていることになります。

2022年の売上あたりの手数料率と2023年の売上高から昨年のままだった場合の手数料概算を計算したところ840,483円。

となると実際の削減額は

鈴木 悠太
鈴木 悠太

驚きの296,769円!!予測がドンズバ!

お会計という作業時間が削減されるとともに、手数料の削減にも成功するというミラクルな結果となりました!

事前決済100%のデメリットは結局どうだった?

事前決済100%に移行するときに懸念していたデメリットは

  1. 予約時に事前決済のためにクレカ情報を入力する手間が発生し予約件数が減る?
  2. 事前決済に対応していないOTAは(宝島、たびらい)は掲載を中止。そので予約件数が減る?

と2つ考えていました。

2つ目に関しては、OTAのたびらいがグリーンシーズン途中に事前決済に対応したということで販売を再開したので、実質宝島旅行社からの予約が無くなった、という形です。

で、重要な予約件数はどうだったかというと2023年の予約は2022年比およそ1.1倍と伸びました。

厳密には、改善する前だったら2023年は予約数が1.2倍とか1.5倍になっていた、という世界線も否定しきれません。

が、予約数が伸びたということは事前決済100%が影響して予約が減ったということは確認できなかった、ということで良いかと思っております。

鈴木 悠太
鈴木 悠太

予約が減った、と判明した時の対応も考えていましたがどれも発動せずに済みました。

デメリットに関しては問題なかったという大満足の結果となりました。

想像していなかった効果が…

シーズン中、会計ソフトなどに睨みを利かせて、定期的に変化している部分を探していたのですが、特筆すべき変化として「レンタル品が爆伸び」というのがありました。

前提としてレンタル品の2022年から2023年での変更点は、

  • 2023年 レインウェア有料レンタル開始
  • 2023年 防水ケース無料レンタルに変更
  • 2023年のレンタル品はレインウェア・サンダル(長靴)・サングラス・ハットの4点

携帯防水ケースアウト、レインウェアインという改善を行いました。

レンタル品の集計したところ2022年比で

参加人数レンタル回数
2023年1.168倍1.511倍

という形で参加人数よりもはるかに多くのレンタル品が借りられる件数が増えました。

金額で言うと2022年のままだった場合と比較し他ところ約23万円の収益アップです。

鈴木 悠太
鈴木 悠太

シーズン途中から「ん?」と思っていましたが、明確に伸びてる!

2023年は2022年に比べてレンタル品を借りたいと思う人が多かっただけ、という可能性もなくはないですが、それにしても1.511倍まで伸びるのは事前決済100%の効果なのではないかと思われます。

また昨年まで実施していた携帯防水ケースのレンタルの件数と2023年に新設したレインウェアのレンタルはある程度同じぐらいだったので携帯防水ケースアウト、レインウェアインが大きく影響したわけではなさそうです。

この事前決済100%にしたらレンタル品が借りられる数が増える、この現象がなぜなのかな~と考え、調べていった結果

現金支払(高額紙幣) > クレジットカード・QR決済 > 現金支払(定額紙幣・小銭) > 事前決済

現金よりクレジットカードの方が利用額が上昇する→痛みを感じにくいために利用額が増える、という研究は散見される。

しかし、事前決済(前払い)にすると…という論調の消費者心理に関する文献は1件しか検索に引っかからなかった。

まだあまり究明されている分野ではないのかもしれない。

参考にできるのは

クレジットカードによる支払いは、現金による支払いよりも購買金額や購買数量が高いことが明らかになっている 同じ現金でも、紙幣と硬貨、高額紙幣と低額紙幣での支払いでは購買行動に違いがあることが確認されている ポイント残高が高い場合にはポイント使用割合が高いほど(すなわち現金使用割合が低いほど)支払いの痛みが低くなるが、ポイント残高が低い場合にはポイント使用割合が高いほど(すなわち現金使用割合が低いほど)支払いの痛みが高くなる

支払い手段によって支払いの痛みは異なるか?

顧客は現金で支払うよりクレジットカードで支払うことを好む傾向にあります。

その理由は、カード払いは現金払いと比べて、手元からお金が離れることによって生まれる負の効用を感じにくいからです。

カード払いの場合、署名やパスワードを打ち込むだけで決済が完了します。しかし現金払いの場合、財布の中のお金をレジの担当者に渡して、レジに収納される様子を見て初めて決済が完了します。つまり、カード払いは現金払いより、支払いをしているという「感覚」が薄いのです。

そのため同じ金額でも、現金払いの方がお金を支払うことによって生じる負の効用は大きく、顧客はクレジットカードで支払いをしたくなるのです。

価格の心理テクニック④(プロスペクト理論)

ということなのかな~とおぼろげに考えています。

いずれにせよツアーを昨年と同じように実施している中で、単価アップのレンタル品が多く出ることは非常にいいことです。

これに関しては全く想定していませんでしたが、事前決済100%の効果だったのではないかと思いますので大満足の結果となりました!

ねらい
  • トラブル削減
  • 手数料削減
  • 収益アップ
  • 作業時間の短縮

今回の結果

事前決済100%に変更した結果

  • 手数料が驚きの296,769円の削減に成功!!
  • お会計に関わる作業時間が約22時間の時間削減に成功!
  • 収益としてレンタル品の販売が驚きの23万円アップ!!

という驚きの大成功となりました。

これに加えて、遅刻の削減があったようにも感じますし、ノーショーが発生しない構造にしていることによって心労を軽減できているのも大きな成果です。

鈴木 悠太
鈴木 悠太

この結果を考えると事前決済と現地決済を両方取り扱っていた時代に戻るのは不可能ですね

今の時代、ホテルなども事前決済が当たり前にできるようになりつつありますので事前決済に対する抵抗感のようなものが年々少なくなっているのも大きいのかもしれません。

むしろわたくし個人としては、何かしらを予約するときに事前決済ができないサービスだとめんどくささを感じてしまうぐらいです。

そのあたりの消費者マインドをしっかりと把握しつつ、最適な構造を目指してまだまだ改善が出来そうです。

今回の学び

以前作成した記事を見返すと、随分と慎重にいろいろと想定・計算しておりました。

やはり変化は恐いもの。

この改善によって売り上げが大きく下がる、という可能性も大いにあり得ました。

何とかそのリスクに打ち勝ち、手数料削減に加えて作業時間の削減、さらにはレンタル品で売上アップとこれ以上ない結果を得ることが出来ました。

事前決済100%にする、という小さな判断かもしれませんが、結果として時間とお金を有効に手元に残すことが出来る効果的な施策となりました。

変化を恐れていては時代の変化に取り残されてどんどん状況が悪くなるだけなので、日々前進マインドはとても大切です。

今年はとてもいいチャレンジと大きな成果を手にすることができました。

#073 2023年の改善の目玉!事前決済100%はどういう結末を迎えたか!?
難 易 度 かんたん
 (2)
費   用 無料
 (1)
おススメ度 状況によるが効果が高い可能性あり
 (3)
鈴木 悠太
鈴木 悠太

今回の改善は毎日第一線でお店にいて考え続けたからこそ手に入れることが出来た結果!

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