そう、それは突然始まりました。
「お店の前でフランクフルトを販売しよう」
支笏湖では毎年1月下旬~2月下旬にかけて「氷濤まつり」を開催しています。
支笏湖氷濤まつりは、地元の有志の集まりで始まったおまつり。
冬の支笏湖は寒さが厳しく、人が来ないことから、観光客を呼び込むために考えられたのだそうです。
氷濤まつりは1979年に第1回目が開催され、今年で44年目です。
かのあのガイドスタッフも3名氷濤まつり制作に参加(わたくしは事務所で基本留守番、制作期間の最後の1週間だけヘルプで政策に参加してきました!)しています。
毎年たくさんの人がやってくるこの氷濤まつりに合わせて「フランクフルト」の販売をすることになったのですが、ただただお金を稼ぐためにやるのではありません。
ココにはしっかりとかのあの目指している未来に対する一手としての考えがあります。
最初は?と思いましたがやってみたらめっちゃよかった!w
もくじ
今回の内容
- なぜガイドカンパニーが「食」に取り組むのか?
- かのあが目指す未来
- 「地産地消」がキーワード
- まだまだ続く地産地消の旅。商品開発もやってるよ
なぜガイドカンパニーが「食」に取り組むのか?
かのあではツアーの中で「食」を提供する機会が存在します。
1DAYダウンリバーは、昼食が付いてくるプランとなり、ガイドが腕を振るいます。
以前、チラッと聞いた時には川辺で天ぷらを揚げて天ぷらそばを提供したとかw
また、宿泊を伴うディープなツアーも提供していて、その際もゴリゴリに「食」のオモテナシをします。
チラッと聞いた話ではスパイスからカレーを作ったようですw
「食」はツアーの一部でもあるんですね。
そして、わたくしがやってくるずっと前からかのあではその「食」に対してこだわりを持ち続けて提供してきた歴史があります。
かのあが目指す未来
そんな中かのあではカヌーツアーに加え、環境保全や環境教育が大きな柱になっています。
カヌーを使うからこそアクセス可能な場所で清掃活動を行う「キープブルー」や千歳市の子どもたちに自然体験の場を提供する「アウトドアクラブ」といったカヌーツアー以外の活動も増えてきました。
そんなかのあが次に行動し始めたのがサスティナブルな「食」です。
食品ロスや不公平な貿易など様々な問題が世の中にはありますが、何分小さなガイドハウスなので取り組めるスケールはそこまで大きくできません。
それでも自分たちにできることを考え、たどり着いたのが地元のメーカーから商品を仕入れ販売する「地産地消」です。
「地産地消」がキーワード
今回、氷濤祭りに合わせてかのあのお店前で販売し始めたのが千歳ハムのフランクフルト。
千歳ハムのHPはこちら ↓
やはりアウトドア事業者ですので野外調理にはこだわりがあります。
炭火でカリっと焼き上げて提供です。
千歳市にある支笏湖で千歳の企業の商品を販売する。
厳密にいえば千歳ハムが仕入れているお肉が地産のものかと言われてしまえばわかりません。
それでも地元で作って地元で消費するという広義の「地産地消」に当てはまるのではないかと考えます。
「地産地消」は流通による化石燃料の消費を抑え、環境負荷の低減につながります。
まだまだ続く地産地消の旅。商品開発もやってるよ
フランクフルトの評判がすこぶるいいので次の一手を考えます。
上記の写真にも写っていますがスープの提供も開始しました。
そしてそこに使う食材は「エゾシカ肉」です。
これは北海道という区切りにおいての地産地消ですね。
その名も「エゾシカ肉のスパイスカレースープ」。
エゾシカは近年その数を増やし、農作物被害や林業被害が深刻化しています。
そのためにここ10年は毎年10万頭を超えるエゾシカを駆除しています。
その駆除されたエゾシカは多くが廃棄、つまりゴミになっている現実があります。
北海道の自然が育んだ命をゴミにしてしまっているんですね。
ゴミにするのではなく、日常で消費するという誰もが取り組める環境保全活動を伝える一助になるために、「エゾシカ肉のスパイスカレースープ」の提供を開始しました。
エゾシカ肉は前職の旭山動物園時代につながりがあった鷹栖町にある山恵さんから購入しました。
山恵さんのHPはこちら ↓
何度か山恵さんのお店に遊びに行って、シカ肉に対するこだわりを聞いたり、実際にシカ肉を食べて本当においしかったので今回お願いしました。
そして、カレーは鳴海ガイドがスパイスを注文し、こだわって作っています。
ここは完全にガイドのこだわりが凝縮されていてとんでもなくおいしい(個人の感想ですよ)カレーになりました!
今回の結果
まだまだ「地産地消」を伝える、というところまではいかなかったかもしれません。
フランクフルトを焼くので手一杯でしたw
それでも大きく2つの成果がありました。
- かのあが思い描く未来に向けて、実際に取り組みとして表現することができた
- 北海道のアウトドアガイドが苦戦している冬の収益を上げることができた
環境保全に関して表現をする機会が氷濤まつりに合わせて毎年作ることができるのが確認できたのは大きいことです。
冬だけではなく、春から秋にかけても手札として切り出すことができます。
これからどのような機会を作ることができるかを考えていきたいです。
そして、大事な収益。
環境保全は基本お金になりません。
活動の持続性を確保するのが非常に難しいんですね。
商売として持続的な形で活動を継続し続けることができる環境を作る、という視点が非常に大切です。
ですのでわたくしはお金から逃げることを止めました。
2022年は今回のお店前での「食」の販売を土日祝限定の週末開催で行いました。
2021年に一年かけてテイクアウトのドリンクで稼いだ収益を軽々と越える成果に。
単日ですが、ツアーの収益と食の提供による収益の合計が冬の売り上げ記録を大きく更新する結果もあり、大きな大きな手ごたえです。
これから「地産地消」を前面に押し出し、伝えながら、しっかりと収益も確保して継続した活動に育て上げていきたいものです。
今回の学び
前職でも動物園内でエゾシカ肉を食べることができる環境を構築するのに少しかかわった経験があります。
前職は動物園の飼育員として、今回はガイドハウスの事務員として。
昔は「最前線の現実を知らないと何もできない!」と目的意識をもって狩猟免許を取得し、実際にエゾシカの駆除現場に加わった経験もあります。
なんだか今回の「食」の販売は今までやってきたそういった点としての活動が線としてやっぱり繋がっていくもんなんだな~と実感する時間となりました。
わたくしの役割はひたすらフランクフルトを焼く係ですが、かのあが一丸となってカレーの仕込みをやっていたり、氷濤まつりの会場でお客様の受け入れをしていたり、ツアーに出ていたりと、それぞれがやるべきことを全力で取り組んでいる時間はそれはそれはとても幸せです。
フランクフルトを焼き続けていると、提供する直前に高温で最後の締め焼きをして「油がジュージューしている面を表にして提供する」というエンターテインメントを見つけましたw