残りの改善 19コ!

#063 予約は事前決済100%に!作業負担の軽減とトラブル回避だ!

本日の記事の概要

改善に次ぐ改善で受付業務のスムーズ化とトラブル回避のため、予約は「事前決済100%」に限定することを決めたウラカタ職員スズキ。

変化の際の不安を最小化するためメリット・デメリットを整理し、デメリットを理解、2023年のポジティブ要素を洗い出して大きな変化の一手を打つこととした。

当日の受付業務は、できることをどんどん改善してきました。

今までの受付の改善はこちら ↓

#008 伝達方法の変更!荷物整理カードでツアー前準備のバタバタを解消! #016 オンライン予約でクレジットカード事前決済を可能に! #029 お会計間違い無くすぞ!レジ前に予約一覧表を印刷して置いたりいろいろやってみた! #042 理想的な方法を探して、スムーズな受付を!

今回、改善を推し進めている中で、過去最大級のチャレンジであり、問題なく導入が完了できたら絶大な効果なものに着手です。

それは、予約を「事前決済100%」に限定する、というもの。

夏の繁忙期には、複数のお客様が同時に来店され、お会計に長蛇の列が発生。

2022年は当日決済、事前決済が入り混じる体制から、2重会計が発生しないようにOTAから入った予約が事前決済だった場合は、予約を集約している予約管理サイトのウラカタに情報をコピペする際に料金の部分を「0円」にする、といった工夫で発生を防ぐ努力をしたものの、それでも人間が行うこと。

何件か2重会計が発覚し、連絡してお詫びし、返金するという事案が発生。

さらに、当日決済で予約を頂戴していたところ、予約当日に遅刻やら日程の勘違いやらで当日キャンセルが発生。

キャンセルポリシーのとおり(もちろん致し方がない理由の場合は頂戴しません)に請求書を送ろうが、オンライン決済ができるフォームをメールで送ろうが音沙汰がない事案(ノーショーと言うらしい)が複数件発生。

これは

お客様にとって選択肢が多いことはいいことなのでは?
選択肢を増やす(当日決済(現金、QR、クレジットカード)、事前決済)
結果、オペレーションが複雑になり、お客様に迷惑をかけたり自分たちの首を絞めてしまう

という構造になってしまっているのではないかという結論に行きつきました。

これは過去に改善したコミュニケーションツールの改善の時に直面した問題と同じです。

コミュニケーションツールの時の苦悩と改善はこちら ↓

#001 電話の必要性を考える!適切なコミュニケーションツールを使う環境の構築 #017 えっ、FAX!?コミュニケーションツールを整理整頓して情報の混乱を防げ!

元々は当日現金決済以外の選択肢がなかった時代から、当日クレジットカード決済が可能になり、当日QR決済が可能になり、そして事前決済という選択肢が生まれ、すべてが混在しているのが現在です。

改善するならシンプルに。

当日決済と事前決済が入り混じっていた構造を、事前決済オンリーのシンプル構造に改善する大きなチャレンジを行いました!

鈴木 悠太
鈴木 悠太

不安はある。だけど何が不安なんだろう?

今回の内容

  • なぜ「事前決済100%」にするか?のメリット・デメリットを整理する
  • デメリットを理解する
  • 2023年ポジティブ要素を整理する

なぜ「事前決済100%」にするか?のメリット・デメリットを整理する

「事前決済100%」というシンプル構造にすることで作業負担を減らしたり、トラブルのもとを根絶するというのが目標です。

「事前決済100%」のメリットを洗い出してみたところ

  1. ツアー当日に受付がスムーズになり(お会計業務がなくなる)ガイドはツアーに集中
  2. 2重会計の発生を根絶し、経理作業負担が無くなる
  3. ノーショーによる請求業務の経理作業コストとそのリスクの根絶
  4. 手数料が従来より割安に

といったことがメリットとして挙げられました。

補 足

4番目の「手数料が従来より割安に」とはどういうことか?

予約+当日クレジットカード決済の場合

予約管理サイト or OTA 手数料クレジットカード利用手数料手数料合計
ウラカタ4%3.24%(カードによっては3.74%)7.24%(7.74%)
AJ10%3.24%(カードによっては3.74%)13.24%(13.74%)
じゃらん15%3.24%(カードによっては3.74%)18.24%(18.74%)
アソビュー15%3.24%(カードによっては3.74%)18.24(18.74%)

予約管理システムとOTAに対して支払っていた手数料に加え、POSレジであるエアレジに対しても上記の手数料を支払い、トータルでこれだけの手数料を支払っていました。

これが事前決済の手数料を見てみると

予約管理サイト or OTA 手数料事前決済手数料手数料合計
ウラカタ4%1%5%
AJ10%3%13%
じゃらん15%無料15%
アソビュー
15%無料15%

となります。

予約+当日クレジットカード決済と事前決済の手数料合計を比較すると

予約+当日クレジットカード決済 手数料合計事前決済 手数料合計手数料削減
ウラカタ7.24%(7.74%)5%2.24%(2.74%)
AJ13.24%(13.74%)13%0.24%(0.74%)
じゃらん18.24%(18.74%)15%3.24%(3.74%)
アソビュー18.24(18.74%)15%3.24%(3.74%)

という手数料が削減されることになります。

では実際に2022年のお会計から概算で計算してみましょう。

POSレジはこういう時は本当に便利ですね~データがちゃんとすべて残っています。

#010 【POSレジは冗談抜きに超便利!】クラウド会計ソフトと連動したら作業時間が大幅削減!

手数料は各社でパーセンテージが違うので

  • QRは仮に2.5%
  • クレジットカード決済は仮に3.24%
  • 事前決済は仮に1%

と仮定します。

2022年のお会計時の決済方法の割合は

決済方法割合手数料
現金26.77%0%
QR8.32%2.5%
クレジットカード31.95%3.24%
事前決済14.66%1%
その他18.29%0%

といった形でした。

ざっくり計算してみたところ手数料はざっくり計算で40~70万円といったところ。

これが事前決済100%に変更した場合

決済方法割合手数料
現金0%0%
QR0%2.5%
クレジットカード0%3.24%
事前決済81.71%1%
その他18.29%0%

再び事前決済100%にした時の手数料をざっくり計算したところおよそ20~50万円に。

差し引き20~30万程度のコスト削減が実現できるかもしれません。

上記のコスト削減に加え、ノーショーでの損害を執念で、唇をかみしめながら計算したところ2022年は13万円程度。

手数料削減分とノーショーが消滅する分を合算すると随分と大きなコスト削減が実現できるのかもしれません。

これは取り組みを始めるときに不安に思っていた自分を後押しする意義のあるデータとなりました。

こう見ると現地決済の現金支払いに限定すればもっと手数料が安くなるじゃん、と思うかもしれませんが、もちろん手数料対決で言えば、

予約+現金決済 > 事前決済 > 予約+クレジットカード決済

になります。

が、現金決済の場合は手数料が発生しない分、お会計の作業コスト、会計で間違えないように神経を使うコスト、点検・清算などのお金の管理のコスト、出入金(ATMに入金に行く、両替をする)のコスト、盗難のリスク、ノーショーのリスク、といったことを考えると現金でのやり取りは手数料以外のコストとリスクが大きく発生しているのを忘れてはいけません。

こういったコストとリスクを天秤にかけて何が最適解かを判断する必要があります。

続いて「事前決済100%」のデメリットを考えてみると

  1. 予約時に事前決済のためにクレカ情報を入力する手間が発生し予約件数が減る?
  2. 事前決済に対応していないOTAは(宝島、たびらい)は掲載を中止。そので予約件数が減る?

といったことがあるのではないかと推察されます。

ここで大事なのがメリットは「明確に得られる」ことがわかっていますが、デメリットに関しては「可能性がある」という違いです。

不安に押しつぶされて身動きが取れなければよりよい未来をつかみ取ることはできません。

続いて、メリットを得るためにデメリットがどれほどの影響を及ぼすのか、を理解していきます。

デメリットを理解する

デメリットの1つ目「予約時に事前決済のためにクレカ情報を入力する手間が発生し予約件数が減る?」は、大いに可能性がありそうです。

しかしそれがどれほどの規模か?というのは明確にはわかりません。

なんせ「めんどくさいからやーめよ」というアクションは基本的に数字として計測することが現時点でできないからです。

これもグーグルアナリティクスなどをHPに仕込み、籠落ちしている件数からおおよそ推測(それでも推測の域をでられませんが)することが出来るのかもしれません。

現時点で大枠で捉えることが出来そうなのは、

  • 現地決済+事前決済の2022年の予約推移
  • 事前決済のみの2023年の予約推移

を比較することで、影響をおおよそ感じ取ることです。

もちろん2022年と2023年は同条件ではない(社会情勢や外的要因などの変数)ので正確な比較はできませんが、かのあが目標としている売上目標に照らし合わせて考えていけば、本当に大幅な予約件数の減少が感じられたタイミング(ゴールデンウィークから夏前には判明するかと)で現地決済を復活させるオプションを発動すれば多少の痛手で済みそうです。

本当に現地決済が無くなっただけで予約が減ったとすれば現地決済の選択肢を復活すればそこからの損失は存在しないことになるはずなのでそこまで危ない橋を渡るということにはならなさそうです。

デメリットの2つ目「事前決済に対応していないOTAは(宝島、たびらい)は掲載を中止。それで申込件数が減る?」は、ほぼ確で起こりそうです。

2022年の予約の全体に対する宝島、たびらいの割合は

  • たびらい 2.2%
  • 宝  島 0.8%

でした。

合計およそ3%のマイナスになるのではないかと推測されます。

もちろん上記2つのOTAを利用すれば一定数の予約が入るのが明らかですが、今回の改善で事前決済に対応していないOTAに関しては撤退がやむ負えません。

ただ繁忙期は、上記2つのOTAから入る予約が存在しなければ、その分の予約枠が空くことになるので他の予約方法の申込が一定数増える、と考えられます。

そうなると単純に上記3%という予約がすべて消し飛ぶわけではなく、実際はおそらく1~2%の影響があるかないか、といったところ。

最悪、本当に大幅な予約件数の減少が感じられたタイミングで大急ぎでOTAを復活すればそこからの損失はこちらも存在しないことになるはずなので何とかなりそうです。

うむ、そこまで大博打ということではないことを確認したところで、昨年から今年にかけてのポジティブ要素を分析してみましょう。

2023年のポジティブ要素を整理する

かのあの中で取り組んだものを含め、社会情勢などを俯瞰して考えてみたところ

  1. HPを改修し、スマホ最適をしたことによって昨年よりも予約が増える?
  2. 円高によって海外旅行ではなく、国内旅行の機運が高まる?
  3. 国際便が飛び始めインバウンドが戻ってくる?
  4. 全国旅行支援の延長

といったポジティブ要素があるのではないかと考えました。

2022年の6月に申請した小規模事業者持続化補助金が無事に通過し、補助を受けながらHPの改修を行うことが出来ました。

#055 小規模事業者持続化補助金にチャレンジ!販路拡大で収益アップ!

そして作り上げた新HPはこちら ↓

国内旅行の動向とインバウンドの動向は、どうなっていくかは誰にもわかりようがないことなので冷静に情勢を眺めつつ、自分たちにできることに集中していけばOKです。

また先日、全国旅行支援事業が延長される旨の知らせも入りました。

こちらもポジティブ要素ですね。

先ほど「なぜ「事前決済100%」にするか?のメリット・デメリットを整理する」の補足で計算したコスト削減や「デメリットを理解する」での本当にヤバいと感じたときのオプションを計算に入れると、リスクはとてつもなく高いわけではない形でメリットを享受できそうと判断しました。

今回の結果

2022年も2023年もだいたい同じタイミングの2月末に夏季シーズンの予約販売を開始しています。

そして、わたくしはここ2~3年分の毎日何件の予約件数が入っているかをコツコツカウントしていたので比較(期間:2月27日~3月9日)した結果

  • 2022年 22件
  • 2023年 48件

と予約開始スタート時点では、マイナスの影響どころか件数が倍増しているではありませんか。

これはHPの改修が大きく影響しているのかもしれませんし、今年は国内旅行ブームが爆発する予兆なのかもしれません。

インバウンドは、まぁちらほらですかね。

が、現地決済も可能にしていたらもっともっと予約が伸びていたのかもしれませんから正直わかりません。

まだまだ予約の受付が始まったばかりで何とも言えない状態ですが、少なくとも事前決済100%にしたスタート時点でヤバいと感じてオプションをどうするか検討する必要性ないという状態です。

今回の学び

物事によって変化が恐いと感じることが多々あります。

特にスタッフの生活を考えて、売上が大幅に落ち込み、みんなで貧乏になるようなことがあってはなりません。

だからと言って馬車馬のように不必要な作業に追われる構造の職場環境では仕事を続けていくのが辛くなります。

改善することでどのようなポジティブな変化とネガティブな変化があるか。

ネガティブな要素はどうすれば小さくできるか。

ネガティブを吹き飛ばすくらいのポジティブな改善はできないか。

こういうことをうねうね考えていると、「これこそ仕事の醍醐味だよなー」と感じる今日この頃です。

#063 予約は事前決済100%に!作業負担の軽減とトラブル回避だ!
難 易 度 判断は苦しい
 (4)
費   用 無料~損失が発生する?
 (3)
おススメ度 コストと経済合理性の経営判断で
 (2)
鈴木 悠太
鈴木 悠太

さて2023年の大勝負一発目です。まだまだ改善する余地は大いにあるはずだ!

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