残りの改善 19コ!

#064 効果的なHPを作り上げろ!ジャム理論とかアンカー効果とか

本日の記事の概要

小規模事業者持続化補助金でHPの改修に乗り出した、かのあ。

出来上がった新HPを見て、さっそくよりよく改善するウラカタ職員スズキ。

機能面とマーケティング面、それぞれの改善を行い、効果的なHPの構築に突き進む。

構想、書類作成、申請、修正申請、と今考えるととてつもなく労力がかかった小規模事業者持続化補助金。

努力が実り、無事に採択されました!

#055 小規模事業者持続化補助金にチャレンジ!販路拡大で収益アップ!

そして、その一つの施策にHPの改修を盛り込みまして、昨年末に新しいHPが出来上がりました!

HPを構築していく際に

  1. デザイン面
  2. 機能面
  3. マーケティング面

という3つの構成要素があり、1.のデザインに関しては、わたくしは全くタッチしていません。

私にはデザインセンスが絶望的にありませんので、そういった分野は得意なスタッフが頑張ってくれました。

鈴木 悠太
鈴木 悠太

トップページの動画とかめちゃくちゃいい!

2.の機能面、3.のマーケティング面に関して、いくつかわたくしの意見を反映させてもらいました。

HPを作る機会なんて人生でそこまで多いわけではありませんから、今回いろいろと調べる中で「このポイントは大切だろうなぁ~」と思った部分をゴリゴリ盛り込んでいます。

今回は、使ってもらいやすい&問題を解決する【機能面】と、より多くの方に届ける【マーケティング面】の2面をからどのような意図で構築をしたかご紹介します!

鈴木 悠太
鈴木 悠太

今のところ新HP、手ごたえありです!

今回の内容

  • 【機能面】お問い合わせの前に
  • 【機能面】ミスマッチを最小化
  • 【マーケティング面】いかに権威性を伝える?
  • 【マーケティング面】ツアーの表示数と表示順

【機能面】お問い合わせの前に

まずは、事務員として大きな負担だと考えていたものを修正しました。

かのあは、ありがたいことに毎年多くの方々にツアーのご予約してもらい、ご利用いただいております。

同時に多くの方から数多くのお問い合わせも頂戴しております。

一昔前は電話がひっきりなしにかかり、メールがバンバン届き、大パニック状態でした。

気合と根性で何とか乗り越えてきましたが、やはり構造として不備があるよう思えます。

お客様に疑問が発生
連絡を入れる。連絡手段が複数ある

昔は、電話にメール、OTAのメッセージなど様々な手段で問い合わせが届きました

現場は大混乱

出発点であるSTEP1の「疑問が発生」という部分が原因となり、STEP2で問題を発生させ、STEP3の現場は大混乱という結果を招いていました。

STEP2に関してはコミュニケーションツールの整理を行い、その際にHPから電話番号を削除して非公開する改善を行いました。

#001 電話の必要性を考える!適切なコミュニケーションツールを使う環境の構築

これは非常に効果的でした。

ブログ1発目に記事を書くぐらい大いに問題意識を持っていたように思います。

やはり、ツアースタート前に受付で大忙しといったタイミングで電話に出る余裕がない場合もありますし、折り返しの電話をしたけれども相手が電話に出れないタイミングで出てもらえずすれ違う、といったことが頻発していました。

HPから電話番号を削除し原則、電話番号非公開にしたことで、ツアーに関する質問などの問い合わせ(お客様の緊急事態の連絡とは違います。そういったとき用に予約完了時に電話番号が伝わるような組み立てとなっています)がほとんどなくなりましたし、電話で言った言わない、電話予約の詳細が記録に残っておらず混乱、といったトラブルもほぼなくなりました。

そして今回、HPを改修するにあたって問題の原因であるSTEP1「疑問が発生」とSTEP2「連絡する」の間に新しく「よくある質問」というページが追加されました。

これによって

お客様に疑問が発生
新HPの「よくある質問」ぺージを確認

それでもわからなければ、「お問い合わせフォーム」へ

新HPでは上記のような流れに統一されました。

この部分に関しては私が「頼む、頼むから作ってくれ!」と叫んだわけではなく、HPの改修を担当したガイドと制作会社さんが作成をしてくれました。

鈴木 悠太
鈴木 悠太

本当にありがとう。私はこういうことを求めていたのだ

HPが出来上がったタイミングで新しく追加された「よくある質問」のページでわたくしが行った改善が一つ。

「よくある質問」と「お問い合わせフォーム」を連動させる、ということを行いました。

はじめ出来上がったHPでは、「よくある質問」と「お問い合わせフォーム」がリンクで繋がっていないでそれぞれ独立している状態でした。

それぞれ別々のページにあるということは、お客様の行動が2パターンに分かれてしまいます。

一つ目のパターンは

疑問が発生
「よくある質問」のリンクに飛ぶ
それでもわからないので「お問い合わせフォーム」のリンクへ飛ぶ

こちらは全く問題がありませんね。

どしどしお問い合わせフォームをご利用いただくべき案件です。

そしてもう一つのパターンとして

疑問が発生

「よくある質問」の存在がわからず直接「お問い合わせフォーム」へ
または「よくある質問」を見るのがめんどくさいから直接「お問い合わせフォーム」へ

これはいけません。

これでは「よくある質問」が効果を発揮できていません。

そこで「問い合わせフォーム」のページをクリックしたら、そこに「よくある質問」が待ち構えているという構造にしました。

これで「お問い合わせフォーム」からコンタクトをとる前に必ず「よくある質問」の存在を伝えることが出来ます。

それでもめんどくさくて確認しない、という方も一定数いらっしゃいますがそれはもう仕方がない…と思って運用していたのですが、「よくある質問」に回答が書いてあるけれども問い合わせが何件かあったので、もう少し修正を加え

問い合わせランキングトップの項目だけ「質問に答えてるよ!」というのが伝わるように質問例を載せました。

これでもダメそうな場合は、お問い合わせフォームの入力項目の一番上に『「よくある質問」はご確認いただけましたか?』というチェックボックスの追加ですかね~。

それは追々考えましょう。

「よくある質問」の項目も、一度作って終わりではなく、

  • お問い合わせがあって複数回質問された疑問に関しては都度回答を追加
  • 季節ごとで疑問が発生しやすい質問項目(気温の変化系とか)に動きがあるので、優先順位の高いものを上に配置する調整

といった対応を取っていこうと思います。

これで多くのお問い合わせ対応から解放されるのではないかと期待しています。

【機能面】ミスマッチを最小化

かのあで2年働いていて、様々なお客様に出会いました。

ツアー前は緊張?したような固い顔をしていたお客様が、ツアー終わりに出迎えるとニコニコになっている。

そのような場面は日常茶飯事です。

鈴木 悠太
鈴木 悠太

最高ね!

が、ほんの一部「思っていたのと違う」というパターンも発生しています。

これはいくつか原因があるのではないかと推測しています。

列挙すると

  1. 写真と違った
  2. かのあが管理している媒体以外からの予約だった(かのあのツアーを理解してもらえていない)

というのが原因ではないかと考えています。

1.の「写真と違った」はこちらにも原因があります。

自然は日々変化し、写真はそのほんの一部を切り取ったものでしかありません。

さらにHPに載せる写真は

鈴木 悠太
鈴木 悠太

どうせなら一張羅のビカビカの写真で埋め尽くしたい!

という衝動に襲われがちです。

そこで掲載する写真はビカビカの写真の比率を下げ、しっかりとツアーの価値を表すものを意図的に追加しました。

写真に対する考察の記事はこちら ↓

#060 ミスマッチが発生中?参加したい人に届けるWebページの写真の話!

2.の「かのあが管理している以外の媒体からの予約」に関しては、予約はかのあが管理しているHPまたはOTAを経由して、ツアー内容を理解してもらえる機会を作ったうえで予約してもらうように組み立てました。

電話で予約を受け付けないのもこの一環ですね。

これは、正しくかのあのツアーを理解した上で参加したいと思ってもらい予約してもらう、という流れを作る必要があったからです。

ということで各ツアーを取材などで紹介してくれている古いページを管理しているサイト管理者に気合と根性で連絡し、

  • 毎年更新される可能性のある情報は削除
  • 写真を今のツアーの形に更新
  • かのあ公式HPを経由してもらえるようにかのあHPのリンクを設置
  • 上記の修正が難しければ削除してもらう

ということを行いました。

そして、必要な情報を過不足なく伝えことが出来る構成となっているかのあ新HPを作り上げることで、正しくツアー内容を伝え、ミスマッチを減らせるのではないかと考えています。

その一環として、使うカヌーがツアーによってはツインカヌーである、支笏湖に出られることは風が穏やかなな条件がいい時だけ、といったことをしっかりと伝えるために

といった情報もしっかりと伝えるようにしました。

【マーケティング面】いかに権威性を伝えるか

権威性というのは別に偉そうふんぞり返りたいということではありません。

「信頼をしてもらう」というために必要な要素として「権威性」があると考えました。

何かしらのサービスを受ける際に、信頼というのは一つ大きな判断基準であると思っています。

鈴木 悠太
鈴木 悠太

私は特にご飯を食べに行くときはチェーン店に行くことが多いです。それはチェーン店という一定の基準が質を担保しているという信頼から、まずいものを食べるという失敗を回避している、という構造なのではないかと思います。チャレンジャーの対極にいるスズキです。

では、我々アウトドア事業者のことを考えてみると、どうすれば「権威性=信頼」を獲得することが出来るか?

いろいろと考えた結果、かのあが所属している日本セイフティーパドリング協会(以下JSPA)がその信頼につながる部分なのではないかと考えました。

アウトドア事業者は、お医者さんや弁護士さんのように特段何か特別な資格がなければ事業ができないという類の仕事ではありません。

何も資格が無くてもまったく問題がないのです。

ですが、かのあはまじめに組織としてJSPAのA公認校カヌースクールに登録し、ガイドはアドバンストインストラクターの資格を取得しています。

私は他の業界団体のことをそこまで知っているわけではありませんが、JSPAは少なくともまじめに安全なパドルスポーツが普及するために必要な要素を抑え、考えている組織だと思います。

鈴木 悠太
鈴木 悠太

1988年(わたくしが生まれた年!)設立という歴史があるのもステキです

ガイドがどれほどの実力なのか、どれぐらいの知識を持っているのか、どういう経験をしてきたのか、というのはツアーにお申込みいただくお客様にとっては、なかなか見えにくい部分です。

そういった見えにくい部分を、JSPAのような外部の機関との関わりや資格から伝え、そこが「権威性=信頼」の獲得に繋がるのではないか、と考えました。

そこで、各プログラムのページにJSPAの情報を追加しました。

もちろん、JSPA自体のことを知らない方が多い(わたくしもかのあに来るまでは知らなかった!)とは思いますし、また予約の際に信頼性をどれほどの人が重要視しているかはわかりませんが、全く無資格の事業者と比較していただけば、どちらが信頼に足るかは明白となりそうです。

もちろん、この「権威性=信頼」は業界団体への登録や資格の所持だけではなく、グーグルマップのレビューやOTAのレビューもその「権威性=信頼」を獲得する一要素となりますのでトータルで取り組んでいく必要があると考えています。

【マーケティング面】ツアーの表示数と表示順

最初、出来上がった新HPを見てみると体験プログラムのページにカヌーのスキルを習得するカヌー塾やカヌー塾受講者限定イベントである川旅というプログラムも同じように掲載され、5~7のプログラムが列挙されていました。

これはプログラム数がシンプルに多い。

ここでは「ジャム理論」の適用が必要であると考えました。

ジャムの法則(Jam study)とは、1995年にコロンビア大学に所属するシーナ・アイエンガー教授が発表した法則で、人間の選択肢に対する行動のことで、検討できる選択肢が増えると逆に選択が難しくなるという法則のことです。
その法則の特性から「決定回避の法則」とも言われています。

ジャムの法則とは?WEBマーケティングに活用できる選択肢の法則

そこでまず、構造としてプログラムの質を2つに整理します。

  • ツアーとしての体験プログラム
  • スキル習得のための講習プログラム

HPに訪れる方の大多数は体験プログラムの情報を求めて訪れます。

となるとまずは体験プログラムの情報が理解しやすい構造にする必要があると考えました。

さらにカヌー塾は昨年からいつでも申し込める形を止め、イベント的にスポットで日程を限定開催するスタイルに変更しました。

ということで体験プログラムと講習プログラムは別々のページとし、

メインページ
ツアーとしての体験プログラム
スキル習得のための講習プログラム

と体験プログラムと講習プログラムを含めたイベントプログラムのページにそれぞれ分割しました。

これによって「ジャム理論」の観点からも、それぞれのページには3~5程度のプランが並んでいる状態になり、「迷う」→「やめた」という流れを阻止することが出来るページが作れているのではないかと考えています。

また、「ツアーとしての体験プログラム」のページを、上からどのような順番で表示するか、という部分にも明確な狙いがあります。

順序としては

  1. プライベートカヌーツアー
  2. ネイチャークルージング
  3. その他ツアー
  4. 団体カヌーツアー

という順番にしています。

プライベートカヌーツアーを一番上にしている理由として

  • もっとも体験満足度が高い自信のあるプログラム
  • アンカー効果(まず料金の高い商品を見て、そのあとに見た価格が安く感じる)

アンカー効果とは、認知バイアスの一種で、最初に提示された特徴や数値(価格)などの情報が強く印象に残って基準となり、その後の判断に影響を与える効果です。

アンカー効果とは 意味と使われ方をやさしく解説

という明確な意図をもってプライベートカヌーツアーを一番上位に設置しています。

これは旧HP時代に意図的に変更しました。

2021年と2022年のプライベートカヌーツアーの申込数を比較すると、2022年は圧倒的に件数が増えています。

これはページ表示順を一番上位に設置したから件数が増えたというわけではなく

  • 新型コロナでプライベートツアーの需要が増加した?
  • プライベートツアーのページ表示順を一番上位に設置した
  • ブルークルージング→ネイチャークルージングとツアーの構成を変更したことでツアーの属性の違いが明確になった

と様々な要素によって引き寄せた結果です。

予約管理をしている私が2022年の夏季ツアーの募集をしてからしばらくたって

鈴木 悠太
鈴木 悠太

ん、2021年に比べてプライベートツアーの予約件数が増えとるぞ…

と気が付き

鈴木 悠太
鈴木 悠太

一番上位に設置したらより多くなるのかな?

と実験してみました。

結果、2022年はプライベートツアーの件数が大幅に増加しましたが、表示順を一番上位に設置したから増加した、とは言い切れません。

が、結果論として一要因にはなっているのではないかと考えています。

ねらい
  • 機能面として工数削減とトラブルの回避
  • マーケティング面で予約件数の増加

今回の結果

機能面に関しては、工数削減につながるのかまだまだ分かりません。

昨年の問い合わせ件数をカウントしていないので何とも言えませんが、普通に考えれば「よくある質問」は本当によくある質問の集合体なので、ほぼほぼの疑問を解決してくれるはずなので問い合わせ件数自体は減ってくれるはずです。

期待に胸を躍らせております。

マーケティング面に関しては、「HPを改修したから予約が増えた!」と現段階で断定ができるわけではありませんが、夏季ツアーの予約を2月末に開始してから1か月。

今のところ…昨年比で順調そのものです。

鈴木 悠太
鈴木 悠太

ぶっちゃけ驚きの数字を叩き出しています

今年一年がどういう結果になるか非常に楽しみなスタートです。

また、旧HPは、ホームページビルダーというソフトで作成していたので、特定の人間、特定のパソコンでしか編集することが出来ませんでした。

新HPは、スタッフは誰でもどのパソコンでもログインして編集できる構造になっているので作業負担を分散させつつ、タイムリーに情報の修正に対応できる体制になりました。

そのため「こう変えたらより良くなるか?」といった小さな実験を繰り返しながら、精度をどんどん上げていくことが出来るのではないかと考えています。

今回の学び

今回、長いこと使ってきたHPを改修するという大転換を図りました。

投資を行うことで大きな成果を上げることが出来るポイントはどこか?と考えていったときにHPのような効果的なポイントに投資をしていくのは商売をしていく上で大変重要です。

今回は、補助金のお助けをいただけたのでリスキーさはほとんどない状態で投資できています。

どこに、どれだけ投資を行うかを考えるのが一番難しい。

効果が期待できる投資は、思いつく限り実施するかどうかの検討を行い、優先順位が高いものはゴリゴリ行っていきたいものです。

そういう時に補助金は申請が大変ですが、我々のような小さな組織には強い味方です。

うまいこと活用してリスクを下げつつ、堀を広げていく投資を地道に進めていきたいと思います。

#064 効果的なHPを作り上げろ!ジャム理論とかアンカー効果とか
難 易 度 補助金獲得は難しいけどHP構成は比較的かんたん
 (3)
費   用 そこそこ大きなお値段
 (4)
おススメ度 HPは投資する価値あり!
 (5)
鈴木 悠太
鈴木 悠太

こういった仕事に直接効果的に影響するものはどんどん良くしていけば最終的に私はぼーっとして過ごせると夢見てこれからも改善だ!w

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