残りの改善 19コ!

#077 Give!Give!Give!でツアーの満足度が上がって売上アップ?

本日の記事の概要

マーケティングを勉強する中で、ツアーの構造として「いいツアー」を作る援護射撃的なアイデアを考えるウラカタ職員スズキ。

携帯防水ケースの無料貸し出しを皮切りに、プライベートカヌーツアーのサプライズ写真プレゼントや塩分チャージのタブレットの配布、ツアー参加者全員にポストカードプレゼントで「いいツアー」を再現性高くするための”側”を作り上げる。

結果としてはまだ明確なものは出ていないが、来年以降の動きが楽しみである。

最近はもっぱらマーケティングに関する情報収集に勤めています。

もちろん、王道のSEO対策からMEO対策、インスタグラム運用、広告運用などなど選択肢としては全てがテーブルの上にあり、知識も実力もないためにまだ手を伸ばせていない領域もありますが、学んでから極力0コストですぐ実行!を心がけて色々と動き回っております。

鈴木 悠太
鈴木 悠太

と、テクニック論を突っ走りそうになりながらもそれだけでは事業は継続できないのではないか!

本質、つまりツアーの質を抜きに事業継続は行えません。

いいツアー、楽しいツアー、満足度の高いツアーだからこそ、市場のニーズがその事業所を選び、倒産することなく継続していく。

つまらないツアーを実施していては市場がその継続を許さない、それが資本主義なのではないか?

ガラケーが登場して公衆電話が減ったように、スマホが登場してガラケーが絶滅したように、市場のニーズがそれの存在価値を選ぶ。

となると、何よりもやはり「ツアーの質」があるからこそ、市場にその存在を認めてもらい、だからこそ求めている人にマーケティングとして届けることに意味と理由がある。

では、かのあのツアーはどうだ?

昨年からMEO対策として取り組んでいるGoogleレビューを依頼するアプローチ。

2024年7月段階で+45件。

ついに200件を超えました。

そして、少し前まで⭐︎4.8だった評価が⭐︎4.9に。

これは間違いなく「いいツアー」ができている!

とはいえ、同じことを継続するだけでは現状維持どころか衰退しかありません。

環境は刻一刻と変化していますからね。 

毎日、毎年前進しているからこそ事業の継続が実現できるはず!

ウラカタ職員としての視点から、担当ガイドが一生懸命に「いいツアー」を実施する中で、援護射撃的なアプローチで、ツアーの”側”として質を上げる方法はないか?を考えました。

鈴木 悠太
鈴木 悠太

ツアーの質は大丈夫、あとはそれが広がったり、思い出に刻まれたりすることで事業所としてのプラスが生まれるはず!

今回は、そんなツアーを構造として捉えた上で、”質”を上げるためにできるアプローチについての改善を!

今回の内容

  • 返報性の原理
  • 自由に使える携帯防水ケース
  • プライベートカヌーツアーで行うサプライズ
  • 暑い夏には塩分チャージのタブレット
  • ポストカードプレゼント

返報性の原則

「返報性の原理」というものを聞いたことがありますでしょうか?

これはマーケティングを学ぶ中で、行動心理学や行動経済学の資料を目にする中で登場した「原則」。

原則は

多くの場合に共通に適用される基本的なきまり

引用:goo辞書

ということでなので、もちろん、アウトドア事業所に、アウトドアツアーに適用されるものであると考えられます。

そして、「返報性の原理」とは

返報性の原理は、人が他人から何かしらの恩恵を受けた場合、その恩恵に対して何らかの形でお返しをしたくなる傾向があるという心理学の理論です。
この概念は、社会心理学者によって詳細に研究され、人間の社会的行動の根本的な動機の一つとして認識されています。

引用:「返報性の原理」心理学から学ぶ、革新的な顧客関係の築き方

ということです。

「返報性の原理」と「いいツアー」、そして「マーケティング」にはどのような関係があるでしょうか?

ウラカタ職員として、何千組(先ほどざっと数えておそらく6000組超えてそうですw)のゲストの受付をし、お見送りした経験から、ツアーのお値段以上の価値を認めてもらえた場合に発生するものとして

  • レビュー投稿
  • SNS投稿
  • お土産の購入
  • リピート

といったことが発生するのではないかと考えています。

これらはもちろん、基本的には自然発生的なものであり、ゲストとかのあのツアーの相性やその日の支笏湖の天候などなど、さまざまな変数がある中で結果として発生する事象であると考えられます。

そして、これらの事象が発生しやすい、または発生する確率を上げることはできないのか?

その確率を上げることで事業継続にポジティブな影響が出るのではないか?

という考えに行きつきました。

もちろん、「Googleレビューを書いてくれたら〇〇プレゼント!」のような規約違反をして実現するのではなく、ルールに則った上で、無理強いするのではなく、ごく自然にその確率を上げる。

その答えが「返報性の原理」である、というふうに考えました。

レビュー、SNS投稿が増えれば集客が増える可能性が上がる。

お土産を買ってもらうと売上が増える。

リピートしてもらうと売上が増える。

ごくごくシンプルで、当たり前のことですが、地道にこれらを伸ばしていくことが事業継続に繋がる。

ということで、「いいツアー」をするのは前提として、それに加える形でゲストに対してGiveを含めることでツアーの質を構造的に上げる施策。

マーケティングの中では、どうやらGiveは3〜5つほどあるといいそうです。

思いつく限り、かつコストがバカ高くない中で取り組めるものを実施し始めました!

自由に使える携帯防水ケース

まず真っ先に取り組み始めたのは、携帯防水ケースの無料貸し出しです。

元々は防水バッグのみ無料で貸し出しをしていました。

もうあまり覚えていないのですがその時代は、防水バッグにスマホを入れてもらい、撮影するときだけ出してもらうような感じだったと記憶しています。

携帯防水ケースの無料貸し出しを始めたのも明確ではないのですが、2022年だったか2023年から開始したように思います。

一つあたり600〜800円ぐらいだったかと。

全部で30個程度購入して、どのようなパターンでも対応できるぐらいの数を揃えています。

それまでは有料レンタル品として、1点500円で携帯防水ケースの貸し出しを行っていました。

なぜ有料レンタルから自由に使える無料レンタルにしたのか?

それはやはり時代背景が大きかったです。

今の時代、一人1台スマホを持っているのが当たり前です。

尚且つ、それぞれがSNSアカウントをもち、日頃から発信をしているのが当たり前の時代。

であるならば、ツアーの写真を撮りまくってもらい、SNSに投稿してもらう確率をあげ、あげてくれたら知り合いが「かのあ」の存在を知って、北海道旅行をする際には「支笏湖」を、「かのあ」を選択してもらえる可能性が上がるのではないか?という仮説からスタートしました。

これがなかなか好評で、ほとんどの人が借りていきます。

防水バッグの場合は、閉め方のレクチャーが必要だったのですが携帯防水ケースだけで防水バッグを借りていく人が大幅に減ったことで、レクチャー時間の短縮にも繋がりました。

加えて、この携帯防水ケースを使った遊び方をガイドが発明。

なんとこのままカメラ部分を水中に入れることで、お手軽水中撮影までできてしまいます。

どのぐらいSNSに投稿されているかは定かではありませんが、まずは1つ目のGive。

プライベートカヌーツアーで行うサプライズ

今シーズン一番「いいアイデア出たな〜」と思いついた、プライベートカヌーツアーのゲストへのサプライズ。

かのあでは、通常のネイチャークルージングツアーという複数のグループを同時にご案内するプログラムに加え、1グループに1名のガイドが担当するプライベートカヌーツアーというプログラムがあります。

かのあの数字データに睨みを利かせている中で出た一つの結論。

ネイチャークルージングツアーでリピーターを作るのは非常に難しい。

ネイチャークルージングツアーは毎年1000組を超えるたくさんの方々がご参加してくれます。

その中でリピートしてくれているのは、気合と根性で集計して(途中からシステムとしてワンクリックで突き止めることができるようにしました)、新型コロナというイレギュラーもありましたが2018年〜2024年現在までで3.2%程度。

2022年からの3年間であれば4.6%になります。

果たしてこれを10%にできるか?と考えるとこれがなかなか難しい。

立地や環境として、参加される多くのゲストが本州から北海道旅行で来ている方がほとんど。

もちろん、来年は沖縄へ、または海外へ、または北海道旅行だけで道東へ、のように毎年毎年北海道の札幌圏に旅行をしてくれる人の総数が増えるかというと、かのあのツアーだけでそれを実現するのはなかなか現実的に難しいというのが冷静に考えた評価です。

現状の数字が自然発生的に生まれているのでその流れを継続するために「いいツアー」を継続する、が最適解だと考えます。

そこで狙いを定めたのがプライベートカヌーツアーです。

今年、3年連続で夏の支笏湖に遊びにきてくれてプライベートカヌーツアーにご参加してくれるご家族がいます。

プライベートカヌーツアーは、ネイチャークルージングツアーに比べその総数は少ない。

かつ、1名単価はネイチャークルージングに比べてプライベートカヌーの方が高い。

となると限られた予算の中でどこにその予算を投下するかを考えた際に、選択と集中でプライベートカヌーに参加してくださるゲストの中で、支笏湖を好きになってもらいリピートしてくれる人を増やすのが打ち手として正しいのではないか?と考えました。

かつ、支笏湖には鶴雅リゾートという評判の良いホテルがあり、鶴雅リゾートに宿泊されて、プライベートカヌーに参加される方が一定数います。

良いホテルに泊まり、楽しい体験をする、というのがリピーターを生み出す再現性が高いのではないかという計算もあります。

さて、では具体的にどうすれば支笏湖のことを忘れることなく、来年の旅行の選択肢に支笏湖が浮上するか?

思いついたのが「リビングへの陣取り」です。

日常が流れるリビングに、かのあが陣取ることができれば必ず支笏湖を、かのあを思い出してくれるはずです。

じゃあ、リビングに陣取るのは何か?

それは思い出しかありません。

スマホで無限に写真を撮影できる今の時代に、逆行する形でリアル写真を額縁に入れてプレゼントする、というのを開始しました。

他の事業所では、「写真データ無料プレゼント!」というのをよく見ますが、写真データは意図しないと見返すことが少ないのではないか?(もちろんFacebookなどで過去の投稿のリマインドがあったりするので思い出さないわけではない)。

そうであるのなら、いっそ印刷してしまって形として残して仕舞えば半強制的に目に入ることになります。

そこでツアー中にガイドが写真を撮影、その写真を店舗に戻りゲストが帰りの支度をしている間に印刷、帰り際に写真を額に入れてプレゼント。

ここのポイントは、ツアーの予約時にその「額に入れた写真をプレゼント」するということを一切謳わない。

なぜならプレゼントされることがわかっていて受け取るよりも、サプライズとして額に入った写真を渡される方が確実に嬉しいはずです。

正直「プレゼントしまーす」と、謳いたくなりますが、グッと堪えてインパクトを取る方が正解だと思います。

正直、「額に入れた写真をプレゼント」を謳ったところで予約数にはほぼ影響はないでしょうしね。

ガイドがいいツアーをして、その楽しかった思い出が写真が額に入って手元に来たら、高確率でリビングのどこかしらに陣取ることができるのではないでしょうか。

陣取りが成功した暁には、おそらく再び遊びにきてくれると信じて現在プライベートカヌーに参加してくださった方にプレゼントとしてGiveをしています。

暑い夏には塩分チャージのタブレット

残り二つは軽め(ぷらいべーとカヌーの印刷した写真を額に入れてサプライズプレゼントは肝入りなので熱くなりましたw)です。

一つは、暑くなった夏休みシーズンに、ツアー前に塩分チャージのタブレットを配布するというもの。

小さな小さなGiveですが、ツアー中に熱中症気味になって具合が悪くなるといったリスクを低減することにも繋がります。

かつ、ツアーのスタート時点はゲストもガイドも緊張気味。

アイスブレイクという意味合いでもmこの塩分チャージのタブレット、飴ちゃんのプレゼントは効果を発揮します。

噂で聞く大阪のおばちゃんが飴ちゃんを配っているという文化は、おそらくこういった意味合いもある計算された行動なのでしょう(真相はわかりません)。

これはネイチャークルージングもプライベートカヌーツアーも両方で配布しています。

ポストカードプレゼント

最後も小さな小さなGiveですが、リビングには難しくても個別の部屋になら陣取ることができるかもしれないポストカードのプレゼント。

今シーズンからツアーに参加してくださった方全員にポストカードのプレゼントを開始しました。

というのも、昔々に何かしらの助成金か何かでゲットした大量のポストカードの在庫がありました。

1枚150円で販売していて、年間数十枚は売れていました。

が在庫としては何千枚あります。

ざっと計算して、このまま販売していたらおそらく50年分ぐらいの在庫がある計算です。

Giveできることはないか?を考え続けていた中で、その50年分の在庫があるポストカードに目をつけました。

ポストカードが売れたとしても、売上としてはたかが知れています。

しかし、毎年一定数売れ続けているということはポストカード自体は少なくともある程度ニーズがある。

色々な観光地でポストカード見ますしね。

であるならば、ポストカードをプレゼントしてしまい、リビングにポストカードを飾ることはほぼあり得ないでしょうが、個別の部屋であればポストカードが飾られる可能性があると睨みました。

確率は非常に低いと思いますが、これもまたリピーターが生まれる可能性のある一手です。

在庫が50年分あるのを配るだけなのでコストはほぼ0。

配ってみると意外や意外、嬉しそうに皆さんもらってくれるので、新しくポストカードを作成して配布を続けても良いのかも知れません。

ざっと見たところ1000部印刷で4000〜5000円程度みたいなので、今の在庫がなくなってから追加するか再考したいと思います。

ねらい
  • SNSでの拡散
  • リビングの陣取り
  • アイスブレイク
  • 自室への陣取り

今回の結果

今回は、結果が見えにくく時間軸としても長いものとなります。

果たしてSNS投稿はされるのか?

果たしてリビングや自室に飾られているのか?

リピーターは増えるのか?

その答えは分かりませんが、ちょっとしたデータを。

2023年の7/19から予約時に「かのあをどこで知りましたか?」というアンケートを新設しました。

これは、マーケティング施策が刺さっているのかを測る重要な指標として現在使用しています。

その中で、「知人からの紹介」という項目があります。

2023年7/19以降で27件。

2024年は、7/22時点で28件。

2023年がシーズン途中だったためによく分かりませんが、単純計算でそこまで大幅な変化はなさそうです。

またリピーター測定としてこれまた予約時に「かのあを利用したことがありますか?」というアンケートを設定。

プライベートカヌーツアーは2023年が19件がリピート、2024年現在がリピート9件。

今年の数字は昨年に準ずる自然発生的なものですが、来年は今年のサプライズ写真プレゼントがどう影響するか、変化が楽しみです。

今回の学び

昔は闇雲に売上を増やすために何ができるだろう?とのたうち回っていましたが、今はどうやら大分解像度高く事象を捉えることができるようになってきた気がします。

やはり、ファクトベースで数字を見て、実際の行動としてどうなっているか?をベースに考える必要があります。

感覚でこの辺りを判断してしまうと、大きな勘違いが発生してしまうので、意思決定はファクトベース、数字ベースが基本です。

とはいえ、それだと定石をなぞるにのに終始して、突出した結果が生まれない、というジレンマもあります。

ファクトベースで考え始めて、最後は感覚でエイヤと踏み出すタイミングも、時には大切なのかも知れません。

とはいえ、ベースはゲストの笑顔のため、という原理原則さえ押さえていれば大きな間違えは発生しないはず。

これからも、ゲストにとって何が嬉しいことか?かつコストとして許容できるのはどのあたりかのバランスをとりながら”側”としていいツアーを作る構造化をより進めていきたいところです。

#077 Give!Give!Give!でツアーの満足度が上がって売上アップ?
難 易 度 かんたん
 (1)
費   用 写真の額が一個500円ぐらい
 (2)
おススメ度 構造で攻略するのは大切
 (4)
鈴木 悠太
鈴木 悠太

何度も言わせてもらいますが、プライベートカヌーツアーサプライズ写真プレゼントを思いついた時は興奮しましたwできることから1つずつスタートするのが吉!

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